2011年9月9日(金)
『実録・プロレス道 第34話』
遂に全日本プロレスに参戦したスタン・ハンセン。
注目の第一戦は、阿修羅・原をラリアート一発で決める豪快な勝利だった。
こんなことを言っては失礼だが、原の勝利を考えた人などいないだろう。
2分少々で終わった試合からして、早く馬場や鶴田を出せと言わんばかりである。
「2月の東京体育館で馬場とハンセンのシングルが決まったよ」
馬場が自らハンセン退治に向かうとは驚いた。
とはいえ、全日本プロレスのトップでありPWF王者なのだから行くしかないのだ。
「鶴田とハンセンのUN戦でもいいんだけど、大会場のメインだから出し惜しみしなかったんだよ」
ファンやマスコミの間では、゛馬場は何分もつか?゛や゛馬場負けて引退!゛と囁かれている。
「いやいや馬場は勝つよ。最近シンと上田を相手にしてたから、体が鈍ってたんだよ。今回は燃えてるよ」
あのハンセンに、本当に馬場は対抗できるのだろうか。
師から馬場の凄さを聞いたことはあるが、未だそれらしいところは見られない。
しかし、馬場は馬場なのだ、長年日本プロレス界のトップに君臨し続ける超大物なのだ。
ようやく本来の馬場の姿を見れるような気がする。
「全日本は馬場対ハンセン、新日本は猪木対ブッチャー。対戦相手が入れ替わった格好になったけど、全日本の方が新鮮味があるよ。」
10月12月の蔵前と正月の後楽園に続き、今度は東京体育館で熾烈な興行戦争が火花を散らす。
新日本もエース外人を獲られたとはいえ、引き抜きを先に仕掛けた以上負ける訳にはいかない。
「猪木はブッチャーとあまりヤル気ないみたいだから、一回で決着がつくんじゃないの」
衝撃の参戦から半年以上もほったらかされていたアブドーラ・ザ・ブッチャー。
今となっては、猪木との一騎討ちもさほど話題にならない。
「新日本は日本人対決の方が盛り上がるからさ、外人を上手く使えてないよね」
タイガーマスク人気は落ちていないが、猪木も藤波もこのところライバル不足に見える。
「猪木は誰が相手でもそれなりにこなすけど、問題は藤波だよ。外人だって猪木に負けて藤波に負けてじゃやってられないよ」
ヘビー級に転向したはいいが、目標が定まらないどころかヘビーの体になりきっていない。
格下の外人相手でも、見劣りしてしまうぐらい線が細い。
スピードやテクニックも大事だが、エースとして大型外人と闘うには、体を作ることが先決ではないのか。
「藤波はジュニア時代の栄光にすがってちゃ伸びないよ。タイガーが出てから藤波がジュニア王者だったなんて誰も触れないし」
藤波が本気でエースになるつもりならば、ブッチャーやラッシャー木村を倒して猪木に噛みつくぐらいの気迫を見せて欲しい。
「猪木が手こずってる相手を一気に倒せば、そりゃ文句はないよ。でも、そう簡単にいかないのがプロレスの面白いとこだよ。全日本も新日本も今度の東京体育館で今後の方針が見えてくるよ」
両団体の命運を握る東京体育館大会。
どっちに行くか悩むところだが、マサル少年は両方のチケットを当然のように持っていたのだ。
つづく |